「オルガテック東京2024」出展レポート ペイントテーブルとブース作りの裏側 アルスはオフィス及びファシリティの国際的な展示会「オルガテック東京2024」に「A・corns(エーコーンズ)」として参加しました。A・cornsはアルスが運営するオリジナル商品ブランドです。その特徴の一つであるペイント技術を用いたテーブルとパターンのサンプルを出展し、その面白さや活用提案などをみなさんにお届けしました。日程:2024年5月29日(水)~31日(金)場所:東京ビッグサイト さらに、ブースのデザイン・設計・施工も協力会社の方々と共に自分たちで行ったので、ブース作りの裏側についてもお話しします。 テーブルができるまで 60種のペイントパターン まずはペイントパターンのお話から。私たちは神奈川県内にあるペイントアトリエで、約2年をかけて1000以上のサンプルを制作し、その中から60種類のパターンを厳選することにしました。 サンプルづくりの様子 サンプルづくりの様子 パターンの選定 これらのパターンは、普段のクライアントの依頼をこなしながら、長年の経験やふとした瞬間に思いついた色彩や模様を形にしたものです。どんなにデザインが良くても再現が難しくて、採算が合わないものは一旦保留にしています。 どのパターンも個性豊かで、見ているだけでワクワクするようなものばかりです。 ペイントを施した天板 テーブル天板は60バリエーションのパターンから好みのものを選ぶことを想定しています。展示会ブースでは、その制作方法について多くの方からご質問をいただきました。オリジナルテクニックの詳細はお伝えできませんが、たっぷりの塗料を使って模様を描き、時には削り、さらに上から塗り重ねるなどの手法を用いています。これは漆塗りの技法に近いかもしれません。 また、塗料が分離したり滲んだりする特性を活かし、時にはコントロールが難しい温度や湿度の影響も受けながら天板を完成させています。全て手作業のため全く同じものはできないアートよりなプロダクトだと思います。 洗練された鋳造の脚 天板の魅力を最大限に引き出すため、脚のデザインにもこだわりました。スチールや木では表現しにくい角の丸みや手触りなど、ラフスケッチから図面をおこし、模型製作、試作を経て、鋳造で製作しました。鋳造では溶けたアルミ合金を砂型に流し、冷えて固まった後バリを取ります。さらに直径1㎜ほどの鉄球と脚をかくはん機に入れ、これらをぶつけ合うことでザラっとした風合い(梨地)に仕上げています。繊細かつ強度のある脚は、縁の下の力持ち的な存在です。 ブース作りの話 ブースデザイン ここからはブース作りの裏話を少しだけご紹介します。私たちはこれまでにも数々の展示会でクライアントのブースを手掛けてきました。しかし、今回は自分たちで出展するブースのデザインと設計・施工です。なるべく予算をかけず、ロゴマークの切り出しや棚、ディスプレイ什器などはアトリエで自作するというチャレンジをしました。 初期のラフデザイン1 初期のラフデザイン2 1/10スケール模型 ブースのデザイン・設計は若手社員が担当しました。限られた予算と期間の中でデザインをすることや、展示会運営側のルールに則る必ことなどを経験し、今後に生かせる機会となったのではないでしょうか。 設営と壁面塗装 ブース全体はモルタル風の環境イメージでデザインしました。今回はオリジナルのペイント技術を紹介する場でもあったため、ペイントスタッフが塗装によるテクスチャを施すことにしました。 設営の様子 壁面塗装の様子 壁面塗装の様子 展示会の設営時間は限られていましたが、スタッフ1名で乾燥時間も含めた作業時間は3時間ほどでした。因みに今回はフラットな壁面のペイントでしたが、壁紙などが貼れない凹凸のある場所ではペイントの効果を発揮します。若手社員のフレッシュなアイディアと経験豊富なスタッフの技術が詰まったブースは手作りならではの温かみが感じられる仕上がりとなり、多くの方に楽しんでいただけたと思います。 空間づくり~個性と機能性~ 例えば、オフィスでは単なる仕事場としてだけでなく、クリエイティブな発想を促進する空間であったり、訪れる人へ特定の印象を持ってもらうためであったり。インテリアには個性と機能性の両方を求められることもあります。今回「オルガテック東京2024」に出展したペイントテーブルと60種のパターンは一見すると奇抜なように見えますが、モノトーンの落ち着いたものもあり、色んなニーズに応えることができます。個性と機能性を両立させた空間は、そこに暮らす人、訪れる人、働く人に魅力的で快適な場となります。展示会に出展したことにより私たちのアイディアが、空間づくりに関わる多くの人にインスピレーションを提供できたのではないかと思います。 ↑A・cornsのECサイトはこちら↑ 【関連リンク】・オルガテック東京 この記事に興味を持っていただけたら、是非、シェアをお願いします。 Facebook Linkedin Tumblr