FLUX "BEAM STUDIO"を使ってみた

レーザー加工機BEAMBOXのソフトウェア

レーザー加工機本体のセッティングが完了したら、いよいよ試し加工です。ここでは専用ソフト「Beamstudio」の使い勝手やマニュアルでは分かりにくいところなどを記載しています。

BeamStudioの基本画面

1.「Beam Studio」について

・概要とダウンロード

「Beam Studio」では図形などのベクターデータと画像などのラスターデータを読み込むことができるほか、簡単な図形やテキストであれば、同ソフト内で作成が可能です。因みにベクターデータはカット、ラスターデータは彫刻になどに使用することが多いです。

また、アートボードがレーザー加工機の加工台サイズと同じなので、オブジェクトのサイズ感がイメージしやすいのもいいですね。

■FLUX公式ページからソフトをダウンロードできます。
https://flux3dp.com/downloads/

・イラストレーター専用のプラグイン「Beam Studio Connect」

Adobeのイラストレーターユーザーであれば、インストールしておきたいプラグインです。とはいえ特別なことができるわけではありません。イラストレーターから「Beam Studio」へデータ(オブジェクト)を送るだけのものです。

「Beam Studio」にデータを読み込むにはSVG(Scalable Vector Graphics)形式のデータに変換する必要があります。例えば、イラストレーターでSVG形式で書き出し、どこかのフォルダに保存したのち「Beam Studio」で読み込みます。この一旦保存の手間を「Beam Studio Connect」は省いてくれます。大した手間ではありませんが、日々のこととなると能率に大きな差がでます。

プラグインの場所
プラグインをインストールすると「ウィンドウ」→「エクステンション」→「Beam Studio」が表示されます
「Send to Studio」をクリックでレイヤー構成はそのままに「Beam Studio」へオブジェクトを送れます
「Beam Studio」にオブジェクトが配置されました。レイヤーごとにオブジェクトが色分けされていることが分かります

■プラグインの設定方法とインストールはこちら
https://flux-japan.jp/pages/techinfo-manual-illustplugin-beamstudio

2.使えるサンプル ~出力と速度の理解~

レーザー加工機を使ううえで知っておきたい概念の理解に役立つのが「BeamStudio」ファイルタブにある「サンプル」です。特に木材などの表面を焼き付ける彫刻を行う際には、こちらのサンプルで試し加工を行うのが良いでしょう。

例えば、木材に文字を焼き付けたいけど、表面をフラットにしたい時は低出力で速度を遅くします。

サンプルの場所
ファイル→サンプルにデモ用データが保存されています
サンプルデータ
縦軸が速度、横軸が出力です。数字が大きいほど、速くて出力が高いです
彫刻サンプル
試し加工したサンプル。速度と出力の関係性と加工の特性がわかります

3.Beam Studioの使い方 ~少し分かりにくいところ~

・イラレから「Beam Studio」にデータが送られない

当然ですが、「Beam Studio」を立ち上げてから、プラグインでデータを送ります。ですが、「Send to Studio」をワンクリックしても、反応がない時がよくあります。クリックを連打すると一拍置いてから複数の同じオブジェクト送られることも…。少々のタイムラグがあり、現時点では動作が不安定としか判断できません。

このような時は、一度「Beam Studio」を閉じてから再度、試みると表示される時もあります。

・機能について ~見慣れない言葉だけど~

アイコンのデザインもイラストレーターそのままなので、これらグラフィックソフトを使った事があれば感覚的に操作ができます。ただ、ところどころ見慣れない言葉があり戸惑うこともあります。使っているうちに直ぐに慣れるかとは思うのですが、習得への近道にしていただければ幸いです。

①インフィルって?
②オフセットって?
③パス編集って?
④パスファインダー的な
⑤離散パスの編集、配列って?

①インフィルって?
インフィルのオンとオフ
上)インフィルオフ 下)インフィルオン 

インフィル(Infill)は「埋める」や「詰め入れる」などの意味があるそう。いわゆる「塗りつぶし」です。オブジェクトを選択した状態で右側のツールボックスに表示されます。

左画像の下のようにインフィルのスライドボタンをオンにすると塗りつぶされます。例えば、木材に塗りつぶしの文字を彫刻(焼き付け)したい時などに使います。

②オフセットって?
オフセットの機能
アウトラインにそってオブジェクトが生成されます

オフセット印刷は聞いたことがありますが、少し違うかもしれません。オブジェクトを選択するとインフィルの下に「オフセット」ボタンが出現します。因みにテキストの場合は「パスに変換」(イラレでいうアウトライン化)すると出現します。

左下にオフセットボックスが出現します。ここで数値を入力し既存のオブジェクトのアウトラインを任意のサイズで複製します。

正直、「Beam Studio」上ではあまり使わない機能かと思います。

③パス編集って?
アンカーポイントが出現

図形及びテキストを選択して「パスに変換」を押すとイラストレーターでいうところのアンカーポイントが出現します。(テキストは「パスに変換」が必要)

アンカーポイントを選択してドラッグすることでオブジェクトを任意の形に変形させることができます。

こちらも、「Beam Studio」上ではあまり使わない機能かと思います。

④パスファインダー的な
パスファインダー的な機能
アンカーポイントが出現

オブジェクトを2つ以上選択すると右側ツールボックスに「複数オブジェクト」の項目が出現します。

アイコンの形状で概ねわかるかとは思いますが、「整列」、「グループ化」、「オブジェクトの合成や切り抜き」です。

⑤離散パスに分解、配列って?
離散パスの編集
上)離散パスの編集 下)配列
上記以外にもシンプルかつ基本的な機能があります。例えば、「離散パスに分解する」はグループ化の解除と同等ですし、「配列」は同じオブジェクトをいくつも複製するときに便利です。

以上、レーザー加工機Beambox専用のソフト「Beam Studio」の概要でした。お気付きの点などがありましたらコメント頂けますと幸いです。

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